20年前の卒園児が来社 どろんこの子育ての思い出を語る
2021.06.17
4月、思いがけないメールが届きました。
「約20年前、メリー★ポピンズ 朝霞南口ルーム(埼玉県朝霞市)で大変お世話になりました。当時共働きの家庭に対応できる保育室が少なく助けていただきました。今やとてつもなく大きな組織になられ、驚きとともにさすが高堀さんと愛香先生だなと思います。覚えておられないと思いますが、息子もなんとか本日社会人になることができます。高堀様、愛香様にお礼を申し上げたくご連絡させていただきました」 なんと、安永理事長と高堀代表が初めて立ち上げたメリー★ポピンズ 朝霞南口ルームの卒園生のお父様からでした。
安永理事長も高堀代表も「忘れるわけがない」と大興奮。すぐに返事を出したところ、増田さん父子がそろって本部に来てくださいました。
心に刻まれた保育園での日々
「見て、初めての田植えのときの写真!」と高堀代表。ずっと保管していた当時の写真を焼き増しして持ってきました。「懐かしい!」「かわいい!」と喜ぶ安永理事長に、照れ笑いする増田さん父子。「このころから体が大きかったね」「2歳児のときは0歳、1歳を仕切って、リーダーシップを発揮していたよね」「負けず嫌いだったね」とひとしきり思い出話に花を咲かせました。
増田さんにも何か記憶に残っていることはありますかと尋ねたところ、「田植えはけっこう覚えています。スイートポテトやよもぎもちを作ったり、たくあん作りも。あと、南の風公園に行ったこととかも」と。それを聞いたお父様も「今でも当時のこと話したりするんです。それだけ鮮明で、楽しかったんだろうなと思います。そういえばと、ふっと頭に出てくることが記憶だとしたら、心の中からいつでも引っぱり出せるのが思い出だと思います。息子にとってメリー★ポピンズでの日々は心に刻まれた思い出なんですね」と、しみじみ話してくださいました。
信じてお子様を預けてくださったから今がある
メリー★ポピンズ 朝霞南口ルームを認可外保育所として立ち上げた1998年当時も待機児童は多く、認可保育所は順番待ちの状態。途方に暮れていた増田さんが、メリー★ポピンズを選んでくださった理由をお伺いしました。
「妻も今後のことを考えると退職はせずに正社員のまま働きたいと言っていました。私も正直共働きしてもらえるなら助かると思っていました。そこでまず公立の保育所を探してみました。しかし、夫婦共に残業などもある中、夜は7時までしか預かってもらえないと言われ、空くまでの順番を見たら300何番待ちとかで。もうどうするんだと。頼るようにメリー★ポピンズに行ったら、愛香先生の情熱がすごくて、とにかく一生懸命に話してくれた。この場合はどうするのか、あの場合はどうするのかと聞いても、『それは無理です』って絶対に言わなかった。ここならなんとかしてくれるって思ったんですよ。もちろん即決ではなかったし、お金だってかかります。でもそれは一瞬のこと。子育てを手伝っていただけることによって、失わないで済むことの方が大きかった。今思うと、本当によかった。助けられました。おかげで当時を乗り切ってくれた妻にも感謝できます」と、お父様は笑いながら当時を振り返ります。
安永さんも「今は全国にスタッフがたくさんいて、研修で話すこともあるのですが、『今、自分たちがあるのは1園目の保護者の方のおかげ。私を信じて入ってくださらなかったら今はない。だから絶対に初心を忘れてはいけない、保護者の方がいないと自分たちは仕事できないと思ってください』と伝えています。だから、特に創業間もないころに利用してくださった保護者様のことは本当に忘れたことないです」とかみしめるように語りました。
増田さんは続けて「メリー★ポピンズはほかの幼稚園や保育園とは全く違っていた。子どもたちもどこに行っているの?って聞かれると、幼稚園とか保育園ではなく、メリー★ポピンズって答える。幼稚園や保育園の違いを分かったうえでね。何が違うかというと、普通ならあまりやらないことを、とりあえずやってみる、とりあえず行こうとするところ。だから本当にいろんな場所に連れて行ってもらったと思います。息子がね、戻ってくると、ギラギラした目で、とにかくその日したことをしゃべりたくて仕方がない様子だったのを覚えています」 当時からザリガニ釣りにもよく行き、カブトムシ探しやキャンプなど、戸外遊びを充実させていたというのは今と全く変わらない姿です。
どろんこの子育てで身についたたくましさ
メリー★ポピンズ 朝霞南口ルームでの日々や経験は、増田さんにとってどのようなものだったのでしょうか。
「基本外で過ごしたからか、家でゲームに没頭するということがなくて。活発に外で過ごして、明るい性格でいられるのは、メリー★ポピンズにいたからかなと思います」と答えてくれました。実は増田さん、小学校から野球を始めて練習漬けの日々を過ごし、今では都道府県大会上位レベルの社会人クラブチームのキャッチャーでもあります。
最後、初任給が入ったからと、安永理事長、高堀代表にお土産を渡してくださいました。
「今日までいろんなことがあったけど全部ふっとびました。やっててよかった。続けてきてよかった」と安永理事長。子どもたちのどんな瞬間に立ち会いたいのかを考えながら、保育士は日々の保育に向き合い、「やってみたい」と思う活動を子ども自らが選べるような環境づくりを 考えています。しかし、子どもが保育園を巣立ってから20年後にはこんな瞬間にも立ち会える。保育の醍醐味はこういうところにもあるのかもしれません。