発達支援つむぎ 調布「思いのこもった1冊」
2023.01.16
#発達支援
発達支援つむぎ 調布ルームでは、異年齢の関わりを大切にした支援を実施しています。
先日、片道20分の道のりを歩いて、地域の図書館へ行ってきました。街はクリスマスの装飾で彩られていました。道中、クリスマスにサンタさんからもらいたいプレゼントの話や家に飾ったツリーの話と、話題は尽きません。
さて、図書館に到着です。図書館では自分の読みたい本を借りること、そしてもう一つ新しい挑戦が目的です。 それは、「友だちやきょうだい児など『誰か』のために絵本を探して選ぶこと」です。
沢山ある絵本の中から読みたい絵本を一冊に絞ることは、大人でもなかなか難しいですよね。相手の好きなものを想像したり聞いたりして、それぞれ真剣に絵本を選ぶ姿が見られました。
そんな場面より、素敵なエピソードをお伝えします。
同じ時間に来所している異年齢の2人、Aくん(年長児)とBくん(年中児)。
最近、関わる場面が増え、特にAくんはBくんに対して、親しみを持って接するようになりました。そのため、今回AくんにはBくんのために絵本を選んであげることを提案しました。
Bくんのお母さんにインタビューをし、好きなものが乗り物だと伺いました。図書館に着いてから真っ先に、乗り物の絵本を探すAくん。自分の読みたい本よりも先に友だちの本を探します。
最終的に、はたらく自動車の絵本に決めていたのですが、「電車の絵本がよかったんだけど見つからなかった」と少し残念がるAくん。Bくんのために沢山考えたようです。
絵本を借りて、つむぎ調布ルームに帰ります。図書館からの帰路では、Bくんのためにバギーを押したいと率先してバギーを押します。
スタッフが横で見守っていますが、ほぼ一人で急な坂道や細い歩道を歩き切りました。不安定な道ではAくんがBくんに「大丈夫?」と顔を覗き込み、言葉をかけています。押してもらっているBくんも表情がとても良く、ご機嫌のようでした。
相手を思う気持ちで見ているスタッフも心が温かくなりました。
異年齢の関わりから生まれる場面に出会えると嬉しいです。保護者さまともこの喜びを共有できました。これらは「道徳性・規範意識の芽生え」や「社会生活との関わり」(※)につながります。
これからも子どもたち同士や地域の皆様との関わりの中から生まれる「子どもの育ちや変化」を大切に見守っていきたいと思います。
※厚生労働省の「保育所保育指針」に示されている「幼児期の終わりまでに育ってほしい10の姿」より
文:発達支援つむぎ 調布ルームスタッフ
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