発達支援つむぎ 宮下 「段ボールコンポストを作ろう!~宮下ルームのSDGs~」
2022.05.27
#発達支援
今回は、発達支援つむぎ 宮下ルームのグループ支援で行った活動「段ボールコンポスト作り」をご紹介します。
SDGs(持続可能な開発目標)が注目されている昨今、まずは身近にできるものから始めてみよう!ということで、段ボールコンポストに挑戦しました。「コンポスト」とは、好気性(酸素を必要とする)微生物の力によって生ごみを分解し作られる堆肥のことです。段ボールは通気性に富むため、生ごみの水分を逃がし発酵に必要な空気を通すため、コンポストの容器として最適です。
コンポスト作りに取り掛かる前に、普段食べているものについて考えました。子どもたちの中には食への興味が薄い子もいましたが、好きな食べ物についてはたくさん話してくれました。好きな食べ物から話を広げ、食べ残しやゴミを減らしていくにはどうしたら良いかを話し合いました。そして、調理過程で出るゴミのひとつ、「野菜くず」の再利用法として「段ボールコンポスト」があることを紹介すると、「やってみたい!」と意欲的に活動に参加してくれました。
いよいよ段ボールコンポスト作りです。今回使用したものはこちらです。
段ボール ・腐葉土 ・米ぬか ・野菜くず ・発酵剤
最初に堆肥の土台となる腐葉土を段ボールに入れます。普段遊んでいる砂や泥とは違う、葉っぱが混ざった真っ黒な見た目に子どもたちは興味津々の様子です。真っ黒な見た目から恐る恐る近づく子もいれば、「あんまり臭いしないね」と臭いを嗅いだり、「ふわふわしてる」と感触を楽しんだりと、子どもたちそれぞれの様子がみられました。
次に、米ぬか、野菜くず、発酵剤の順に入れていきます。
米ぬかは野菜くずの分解をする微生物の大好物です。コンポスト作りには欠かせません。 野菜くずは発酵しやすいように細かくする必要があるため、今回は子どもたち皆で、手で野菜をちぎりました。途中、宮下どろんこ保育園の子どもたちが「なにしているの?」と興味を持ち近づいてきました。今、作っているダンボールコンポストが野菜を作るための良い土になることを話しながら、一緒に加わって活動を行いました。「みかんの皮、いい匂いだね」「レタスはちぎりやすいね」など会話が生まれ、ちぎりやすいもの、ちぎりにくいもの、素材によっての違いをそれぞれ肌で感じました。
そして、発酵剤を入れます。発酵剤は微生物を活発にさせる環境を整えてくれます。子どもたちは「まほうの粉」と呼びながら混ぜ込んでいました。
最後に、全体をよく混ぜます。空気も一緒に混ぜ込むと発酵が進みやすくなるため、手で一生懸命混ぜました。
手が汚れることが苦手な子も、シャベルを使って混ぜることができました。道具を操作することにより、自分の身体をどのように使ったら良いかを考え、挑戦し、その結果から「次はこうしてみよう」といったサイクルで経験を重ねていくことができます。また、苦手だけどやりたい、という気持ちに寄り添い、個々の「やってみたい」感情を大切にすることで、子どもの主体性に繋がっていきます。
特定の誰かがシャベルを使うことに疑問を持つ子もいましたが、皆それぞれ得意なこと、不得意なことがあることを伝えると納得した様子でした。「みんな違ってみんな良い」ということを受け止めることが、多様性を考えられる思考に繋がる第一歩になると思います。
段ボールコンポストは、雨の当たらない風通しの良い場所に置き、毎日混ぜ、発行を促進させます。夏場で1週間、涼しい時期では2週間程度で堆肥が完成します。
完成した堆肥は、次回の畑活動で利用する予定です。昨年より土地をお借りし、畑活動に力を入れてきました。今年は土作りから行い、食の循環を学びながら、子どもたちと一緒においしい野菜を育てていこうと思います。 皆さんも、身近にできるSDGsとして、段ボールコンポストにぜひ挑戦してみてくださいね。
参考サイト
文:発達支援つむぎ 宮下ルーム 職員
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